乾塩せき法とは

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湿塩せき法のようにピックル液に漬けることなく、塩せき剤(食塩、発色剤など)をすり込んだり、混ぜ込んだりして塩せきすることをいい、俗におかずけともいう。

この乾塩せき法は目的とする製品の種類によって異なる。ベーコンやロースハムなどの塩せきを部分肉塩せき法といい、以下のように行う。

血絞り後(最近は行わないことが多い)食塩、硝石、亜硝酸ナトリウム、砂糖などの混合塩を肉に対して約5%程度を肉塊の全表面にすり込み。塩せきタンクの中に堆積し、上に重石をのせるが、脂肪の多いベーコンのようなものや、肉塊が大きく塩せきに日数を要するものはさらに中間に混合塩をふりかけながら(振り塩)積み重ねる。

この状態で2,3週間置いた後、積みかえ作業を行い、同時に塩をかける。最近は塩せき日数が短く、積みかえ作業をしないこともある。

標準的な塩せき日数は、肉1㎏当たり4~7日で、肉重量の軽いものはこれより日数をかけた方が良い風味のものが得られる。最近は肉に対する食塩量が減り、かつ塩せき日数がずっと短くなっている。

プレスハムやソーセージ原料のように大肉塊を使用しないものでは、小肉片塩せき法やエマルジョン塩せき法が採用されており、前者は5~6㎝角の肉塊に塩せき剤(食塩、発色剤、リン酸塩、砂糖など)を加え、ミキサーでよく攪拌混合した後に魚缶などに入れて2~3℃で2~5日間塩せきする。

最近はこの塩せき時に若干の加水を行うことがある。プレスハムの塩せき法としてよく採用される。後者は肉をチョッパーでひいた後、上記と同様に混合塩を混和して塩せきしたもので、一時はソーセージ塩せき法として用いられたこともあるが。カッティング時に混合塩を添加。混合することも多くなった。

この乾塩せき法を湿塩せき法と比較した時、塩せき日数が短い、塩せきに比較的場所をとらない、原料肉の大小に関係なくできる、塩せきのミスが部分的にすむことが多い、養分の損失が少ないなどの利点がある反面、つけ込みに手間がかかる、各肉塊によって、塩せき条件が異なって、製品の品質が一定になりにくい、脂肪などの変質が起こりやすいなどの欠点があり、ベーコンは乾塩せき法が望ましい。

 


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